ワルキューレ

原題は『ヴァルキリー』「VALKYRIE」(英語)。
でも邦題は『ワルキューレ』「Walküre」(ドイツ語)。
まぁ、そんな瑣細な事は置いておいて。
とりあえず、見た後の感想の一言は”案外あっさりと終わったなぁ”です。
個人的には、凄く好きな映画だとは思います。
ちょっとドキドキ感が少ない感じはありますが、閉塞感はある程度伝わってきますし。
正義なんてのは、その時々の捉え方や人の感じ方、考え方一つで如何様にも変わるので、どうとも言う所ではありませんが、今の様に言論に力あるような無いようなそんな時代とは言え、好きな事を言える時代である今は幸せなのだなぁ、とは感じました。
あと一番の違和感は、ドイツという国を自分なりに思って動いた男を、何故アメリカ人であるトム・クルーズが演じる必要があったのかという所でしょうね。
人種でどうということではないのですが、若干の違和感は感じずにはいられませんでした。
また、大佐の思いを描く事にあまり力を入れていないと感じてしまうのです。
その辺が凄く残念に思うんですよね。
ついでに、この暗殺計画については、最後が分かっているのですから、もっと盛り上げる部分を変えて欲しかったというのが正直な感想です。
だからこそ、何で彼らがこういう行動に出たのかという思いこそが、もっと全面に出てきて欲しかったのですが。
いや、思いが全くないとか、伝わらないとか言うのではないのですが、力点がちょっとずれていた感じだと思ったのです。
最後に。
「走り出したら止まれない。」
「長い物には巻かれろ。」
「赤信号皆で渡れば怖く無い。」
「聡明な人々が集まると、得てして愚かな組織ができあがる。」等々。
戦争はろくでもない事なのは周知の事実だと思いますが、上に書いた言葉がふいに頭に浮かぶような映画でした。