エネルギーとは電気の事だけではない

さて、エネルギーについて、である。
今や省エネは叫ばれて長いが、そうそう省エネが進んでいるとは思いがたいのが現実である。何故かと問われれば、便利を捨てられない自らの生活にこそ、原因があるのだろう。よって、自然資源は”順調”に減り、あと幾許かと言う時代である。外部のエネルギーを使用して、自らのエネルギー消費を抑えた生活をしているのだから、当然の帰結である。もしかしたら新しい油田が見つかるかも知れないと言う淡い期待を抱いたところで、最後は変わらない。もはやカウントダウンの段階であることは間違えようも無い事実である。しかしながら、私を含め大多数の人間は自らのエネルギー消費にだけは不熱心である。自分の得たエネルギーを使用することを、損だとでも考えているのか、それとも私の悪癖である”面倒くさい”と同様であろうか。ここ最近、近所に出る時は車やバイクではなく、歩きか自転車を使用してる私だが、その一歩を踏み出すのにも中々骨が折れたものだ。
そんな中、自然エネルギーが注目を集めるようになっているが、これもまた、安定した"便利”には完全に寄与しない。今は。確かに重要な分野であり、素晴らしいことである。設備を作ることに資源を使用するのは致し方ないとして、太陽光など本当にクリーンなエネルギーと言える。水力は自然を破壊するという部分が多分に入り込むが、それにしたところでクリーンには違い無い。風力も然りである。が、事はそう簡単には進まないものだ。一々あげ連ねる事はしないが、当然マイナスの面も持っており、それは未だ解決されていない。発展途上なのだ。また、この分野は不思議と多くの欠点を持ちながらそれを指摘する人が少ない事も、諸手挙げて賛成する団体が多い一助になっているだろう。
さて、今や日常の工業製品の多くは石油を用いている。プラスチック容器も、お手ごろな服も然りである。と言うことは、電力の確保と言う問題だけでなく、石油は生活全体に及ぼす影響は計り知れない。だが、先は暗澹としたものであって、決して楽観できるものではないのは周知の事実である。
そうかと言えば、色々な技術開発も進んでいる。原子力で言えば、国際熱核融合実験炉や加速器駆動未臨界炉自然エネルギーで言えば太陽、風、雪氷熱利用の他に波力発電や海洋温度差発電なんていうものもあろう。実用化段階に達したものであればよく聞く水力発電地熱発電も人類の将来のエネルギー事情を考えていく上で重要であるといえる。
よく言うが、人は自分の見たいものを見るし、聞きたい事を聞く。反対に気の進まないことにはとんと無頓着である。マスコミの報道を各社比べて見るといい。情報の部分取りがどんな結末を生むか良く分かる。この情報の溢れた時代、情報の価値は信用なら無いものになってきている。自ら考える事無く報道を信じるということは、ある意味洗脳集団に近い。そんな洗脳集団は、現実を直視していない事が多々あるのを指摘しておきたい。世は今やのっぴきならないのである。